旅について

日常という予定調和を越える旅。東浩紀著『弱いつながり 検索ワードを探す旅』を読んで

東浩紀さんが書いた「弱いつながり 検索ワードを探す旅」という本を読みました。オンラインや東京の書店では売り切れる店が多く、最近話題の新書です。

yowai

個人的に東浩紀さん(@hazuma)さんのツイッターをフォローしていることもあり、流れてくる読者の感想が「今年最高の旅本!」とか「現代の若者はこれを読んで旅に出るべし!」なんて書いてあり、また著名ブログの「隠居系男子」でも大変薦めていたので、お盆休みを利用して読んでみました。

現代を生きる旅好きの若者に読んで欲しい!東浩紀著『弱いつながり 検索ワードを探す旅』

新しいキーワードに出会う為に、旅に出ること

この本の中で、著者の主張は一貫して、

「より深くネットで生きる為に、若者よ旅に出ろ!」です。

どういうことかというと、ネットの世界は膨大な情報に溢れているけれど、僕たちが思っているほど新しい情報や知識を得る場所ではなく、SNSで限られた人たちと交わり、欲しい情報しか目に入らない狭い場所(強いつながりのある場所)だと、力説しています。

というのも、ネットの世界では自分の頭にあるキーワードでしかGoogle検索を行わないからです。自然、検索結果は自分が欲している結果になるはずです。

そこで、東さんは「環境を変えよ」と書いています。
環境を変えるのに一番よいのは、旅に出ることです。

旅に出ることにより、本やネットに説明されていない体験をしたり、日本にいては出会うことがなかった人たちと出会い交わることで新しい世界(弱いつながり)を獲得できる。

そして新たな世界を獲得することで、再度ネットに戻った際、旅に出る前では絶対検索しなかったであろうキーワードで検索することで、より深くネットに潜ることができると。

予定調和を越えて

ネットに限らず、日常は予定調和です。

僕は現在神奈川県に住んでますが、週末は近場のショッピングモールなどによく行きます。神奈川県は特に東急という鉄道会社が沿線沿いの町づくりをすすめている関係で、どの駅に行っても同じようなショッピングモールがあり、同じようなテナントがそこに入っています。

それらのショッピングモールに行けば、オシャレな服も買えるし、そこそこ美味しいランチも食べることができ、確かに便利なんです。

子供がいる家庭が多い地域のため、歩き回らずに1カ所で用を済ますことができるよう、町づくりも徹底しています。そこには「すげー面白いことが待っているという期待感もないけれど、予測できないことが起こり大変な思いをする可能性」もありません。

毎回毎回、予定通り。
よくもわるくも

人間は、生活が豊かになり失うものが増えることで、変化することのリスクを嫌うのでしょうか。。

終わりに

個人的には、この本を読んだ感想は、

へ?って感じでした。

だって僕は3年間も海外を放浪し、予測できない生活に身を置く快感や、リスクもあるけれど環境を変えることのメリットを十分理解しているからです。

この本の想定読者ではないということです。

が、現代の若者(多分特に20代)がこの本に刺激を受けていることらしいのは確かなので、この本をきっかけに旅に出る若者が増えればいいな、なんて思っています。

-旅について
-,