どんな事業を行う上でも、コンセプトはとても大事です。以前、このブログでもコンセプトに触れたエントリーを書いております。
一方で、巷にはコンセプトや響きの良いキャッチコピーが溢れすぎていて、もはやコンセプトを掲げること自体がコモディティー化していると言わざるを得ません。
credit: Alexander Rentsch via FindCC
差別化するためのコンセプトが、逆にコモディティー化を招く
たとえば「暮らすように旅する」という言葉があります。すごくいい言葉だし、はじめて聞いたときは強いコンセプトだと思いました。
しかし現在、この「暮らすように旅する」というコンセプトは巷に溢れかえっています。ゲストハウスなどの宿泊事業者以外にも、クラブツーリズムなどの旅行会社でも使われています。
新しい旅のスタイル暮らすように旅する|国内長期滞在の旅・ツアー|クラブツーリズム
旅という文脈を語るときの流行みたいなものなのでしょうか。こうなってしまうと、「暮らすように旅する」という言葉を聞いた瞬間、またか・・とついつい思ってしまいます。
なんでコモディティー化するのか少し考えてみたところ、以下のようなプロセスを経るのではないでしょうか。
差別化するために尖ったコンセプトを考える→流行る→真似される→溢れる→コモディティー化
はじめにコンセプトを考えた人は死ぬほど頭絞って考えたはずなのに、追随する人は流行っているカッコイイからという、ただそれだけの理由で、心からそのコンセプトに同意していないにもかかわらず同じコセンプトを掲げてしまう。そこが嫌なんです。
コンセプトなんか店主の心の中にあれば良いと思った
そんなわけで、現在GoodNeighbors HostelのWebサイトを作成していますが、コンセプトなどは一切書かないことにしました。
当初はコンセプトを大きく掲げ差別化をはかりたいと思ったのですが、上でも書いたようにWebサイトのナビゲーションに「コンセプト」とかあるのは、「もういいや」と思ったわけです。
もちろんコンセプトや想定顧客などは、ものすごく時間をかけて検討してきました。内外装のデザインからWebサイトの内容、ロゴなどは、全てコンセプトから始まっています。ちなみに以前作ったコンセプトからは、だいぶ変わっています。
結局事業者がどんなコンセプトを掲げたところで、消費者がどう思うかまではコントロールできないので、その判断は消費者に委ねてしまうのもアリなんじゃないかと。コンセプトは店主の心の中に閉まっておいて、あえて発露する必要はないんじゃないかと最近は思っています。
終わりに
理想は「言語化しなくても伝わるコンセプト」ではないでしょうか。
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