今日は、「顔ハメ看板」略して「顔ハメ」についてのエントリーです。
我が家の嫁が、なぜか昔から顔ハメが大好きで、顔ハメを見つけるたびに顔をハメます。面倒な嫁だなと内心思っていましたが、先日顔ハメについてはたと気づいたことがありました。
そもそも顔ハメとは?!
え、顔ハメって何?!という方のために、Wikipediaから説明を引っ張ってきました。
キャラクターが描かれた板の顔部分がくり抜かれており、撮影される人物が板の後ろ側に立ち、くり抜かれた穴から顔を出してその様子を撮影する。子供でも利用できるように後ろ側に踏み台が付けられていることが多い。
要するに、こんなヤツです。
これは、熱海のご当地作品「金色夜叉」の顔ハメ看板です。
顔ハメが凄い理由
顔ハメの何が凄いのかというと、
勝手に顔をハメて、勝手にソーシャルにアップするということです。
別に誰からも強制されることもなく自ら行動を起こし、facebookやtwitterで「今日はどこどこに行きましたー!」みたいな投稿をするのです。
上の写真でいうと、「今日は熱海で温泉!癒される〜」みたいな内容になるんでしょうが、これは熱海側にとってみたらとても良いプロモーションです。全く人の手をかけず顔ハメ看板を設置しておくだけで、消費者が勝手に熱海を宣伝してくれるわけです。
消費者の側も、熱海観光協会の人から「どうぞ熱海を紹介してください」と促されて行動を起こしているわけではないので、自然に気持ち良くシェアすることができます。
これが、観光協会の意図ということがあからさまで、自分が熱海のプロモーションに一役買っていると分かってしまったら、シェアしないかもしれません。
自然にコンテンツをシェアしてもらえる仕組みを考える
「顔ハメ」じゃなきゃダメだと言っているのではなくて、本質は「自然にコンテンツをシェアしてもらえる仕組み」が素晴らしいということです。
東京に「澤の屋旅館」という訪日外国人には超有名な宿泊施設があります。TripAdvisorで毎年表彰される、とてもレビューの高い宿でもあります。
この宿では、外国人に喜ばれる、ある取り組みを行っているようです。(少し前にどこかの雑誌で読んだ記事なので、現在行っているかは不明です。)
お布団の枕の上に、「折り鶴」を置いておく。
外国人にとって日本の有名なコンテンツである「折り紙」。それが美しい鶴となって、自分が寝るお布団に乗っている。
これを知った時、うまいな〜と思いました。
驚きや感動とともに間違いなく写真をとってFacebookやtwitterに投稿する宿泊者がいるでしょう。こんなコメントと一緒に。
「今日は東京の澤の屋旅館に泊まっています。枕に鶴が置いてあってビックリ!東京のオススメ宿です!!」
終わりに
Facebookやtwitterを使ったソーシャルメディアマーケティングが盛んです。いまやどの企業もソーシャルメディア上にアカウントを持っています。
一方で、本当に上手にソーシャルを利用している企業は、まだまだ多くないように感じます。
今回の例はソーシャルを上手に利用する一手ですが、ぼくも澤の屋旅館を見倣い、自然にシェアされるコンテンツがなにか考えながら花の金曜日を過ごしたいと思います。
蛇足。
顔ハメは、英語では「comic foreground」(foreground=前景)と言うらしいです。