旅に「出会い」は欠かせません。
日常では出会うことない人々との偶然の交流は、旅先での時間を彩ります。
ぼく自身も長い旅の中で、様々な出会いを経験しました。同じようにバックパックを背負い何カ国も旅をしている旅人や、それぞれの土地で生きているローカルの人たち。
旅に関する情報交換だけではなく、時には心を通わせる出会いもありました。いやー旅先での出会いはいいなっと思っています。
一方で最近、「旅 = 出会い」「ゲストハウス = 出会い」みたいな文脈を見るたびに「そ、そうか」と思ってしまいます。旅での出会いは素晴らしいけれど、「出会う」ことそれ自体がが真の旅の目的でもないし・・・
credit: Drriss & Marrionn via FindCC
ゲストハウスは出会い系ではない!
最近、日本国内ではゲストハウスが急増し、そのためメディアでゲストハウスを紹介する記事を見かけることが多くなりました。
記事の中では、大抵「ゲストハウスとは●●な宿です」という説明があるのですが、そのほとんどが「ゲストハウスの特徴は、出会いがあること!」などと書かれています。
「世界各国の旅人と出会う」とか「違う価値観の人たちと交流する」と言う文言が踊るたび、本当に「出会い」を求めてゲストハウスに宿泊する人がいるのだろうかと訝しがってしまいます。
というのも、ゲストハウスでの出会いは、結果的に良い「出会い」があるわけで、「出会い」が目的の旅人が集まっていて、意図的に「出会う」わけではないからです。(少なくともぼくはそう思っている)
メディアの取り上げ方がミスリードだし、本当に「出会い」を目的にした旅人が存在するとなると、ぼくが時代に追いついていないなーと反省する次第です。
出会いたい人とは「縁」で勝手に繋がる
そもそも、出会いは過剰に演出するものではないと思っています。
出会いは偶然ではなく必然である、とまでは言いませんが、人間には必要なタイミングで、必要な「出会い」が待っています。
必要なタイミングでもないのに、無理やり誰かと出会う機会を作ったり、相手のタイミングも考えないで自分勝手に出会おうとしても、そこに良い出会いはないのではないでしょうか?!
出会いに飢えているのであれば、別にゲストハウスじゃなくてもいい
むしろ、そんなに「出会い」が好きなら、異業種交流会でも合コンでも行けばよいのです。
さらに言えば電車やバスで隣り合った人に話しかけたり、街で外国人や価値観の違いそうな人を見つけて話しかければ「出会い」があります。
わざわざ旅やゲストハウスで「出会う」必要はないでしょと、ひねくれ頭で思うわけです。
ちなみに、最近「相部屋」という名前の居酒屋が都内を中心に流行っていて、この居酒屋は強制的に見知らぬ男女が相席になり、「出会い」を楽しむことができる居酒屋だそうです。(この場合は異性間の出会いですが。)
男女が相席になる居酒屋「相席屋」が話題に!サクラやタダ飯目当ての女性が多そうだ・・・。
「出会い」を創出する自信がないから、ぼくは自分のゲストハウスに「出会い」があるよとは言わない
これからぼくは金沢の街でゲストハウスを開業します。世界中の旅人が集まるようなゲストハウスになるよう頑張るつもりです。
1F部分が共有部分になる予定なので、時には旅人同士の良い出会いが自然発生的に起こるかもしれません。
一方でそんな「出会い」を求めて、自分のゲストハウスに来てもらっても正直困っちゃうなと思っています。
外国人と話したいのに日本人しかいなかったり、気の合う人と出会いたいのに気の合わない人しかいなかったり。果ては、宿泊客が1人しかいなくて、そもそも出会いがなかったり。出会いがゲストハウスのスタッフしかありませんでした、なんて笑えないでしょ。
何度も書きますが、結果的に「出会い」があるわけで、宿側は「出会い」を創出することもコントロールすることもできないのです。
終わりに
上手に説明できているか不安ですが、別に「出会い」を否定しているわけではありません。
「出会い」は大事だし、誰かとの偶然の出会いは人生を180度転換させるような出来事になることもあるでしょう。事実、ぼくもそのような衝撃的な出会いを何度も経験しました。
だけど、出会うべくして出会うのは良いけれど、そうじゃない出会いは何だか違う気がするのです・・
以前にも似たようなことを書いております。
よかったらどうぞ。
他の旅行者と会話したくない人は、ゲストハウスに泊まらないでください。