ホテルマーケティング

ホテルやゲストハウスの最強戦略は、「ディスティネーション化」すること

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宿泊施設の理想型の1つは、「旅のディスティネーション」になることだと思っています。ディスティネーションは英語のDestinationですが、「目的地」という意味です。

つまり旅の目的地が「宿泊施設」そのものであり、観光や食事ではないということです。

例えばカンボジアを例に挙げると、カンボジアへ行く旅行者のほとんどは、シェムリアップという街にある「アンコールワット」へ行きます。

有名な世界遺産で多くの旅人の憧れの地ですが、この場合の目的地はもちろん「アンコールワット」です。

簡単にすると、こんな感じです。
観光 > 宿泊施設

しかし、ある旅行者はシェムリアップ郊外にある、凄くオシャレでプール付きのリゾートに行きたいと思うかもしれません。そのリゾートでのんびりと滞在し、プールに入ることが旅の最大の目的です。

時間があればアンコールワットにも行くかもしれませんが、この場合の目的地はあくまでも「そのリゾート」です。もちろん宿泊先は「そのリゾート」であって、他の宿泊施設は眼中にない訳です。

よってこうなります。
観光 < 宿泊施設

スウェーデンの超ど田舎にあるホテルが、予約の取れない超人気ホテルに

Fäviken Magasinet」というオーベルジュ(美食を追求するこだわりのホテル)がスウェーデンにあります。レストランは16席、客室は6部屋のみの小さな施設です。

Fäviken Magasinet
http://favikenmagasinet.se/en/

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スウェーデン中部に位置し、首都ストックホルムから約600kmもあり、車だと約7時間もかかります。周囲には観光名所と呼ばれる場所は何もなく、冬場は雪が降り続くとても厳しい気候地帯です。

このFäviken Magasinetの最大の魅力は「料理」です。施設内にあるレストランで提供する料理は、近郊で取れた野菜やマッシュルーム、お肉などです。

2014年、世界のレストランをランキングする「The World's 50 Best Restaurants」にて19位になったことや、全米レストランガイド「Zagat」でTOP10レストランに選ばれたこともあり、現在世界中の美食家から注目されるようになりました。

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その結果、このスウェーデンの片田舎にある、周囲になにもないオーベルジュに、世界中から旅行者が押し掛けているのです。

そう、この宿泊施設が「ディスティネーション化」したのです。

※Fäviken Magasinetに興味がある方は、こちらに動画もあるのでご覧ください。(英語)

なぜ「ディスティネーション化」すると最強の戦略なのか?!

普段僕たちは旅行に行く際、「価格」や「ロケーション」、「他人の評価」で宿泊先を決めています。

例えば、オンライン旅行サイト「じゃらん」や「Booking.com」では、サイト上で簡単に価格が安い順に並び替えたり、地図上から目的の観光地により近いホテルを探すことができます。

仮に「提供する価値」が素晴らしくても、価格が少し高い為にお客様を取られてしまったり、少し不便な場所にある為に候補から外されてしまうことはよくあることです。

これが、ある特定の宿に泊まることが旅行の最大の目的だとすれば、お客様は価格で選んだり、ロケーションで選んだりしないはずです。そしてオンライン予約サイトで検索することはなくなり、単にGoogle検索でそのホテルのサイトを調べ、電話もしくはメールで予約を済ませてしまいます。

簡単に言ってしまえば、「ブランディング」なんですが、他施設では体験できないことを提供することで、唯一無二の存在になり、その結果宿泊施設を選ぶ一般的な基準の圏外に、自施設をポジショニングすることができるということかと思います。

終わりに

宿泊事業者でディスティネーション化に成功しているのは、今度東京にも進出してくる「AMAN Resorts」や「リッツカールトン」でしょうか?!

確かに高級リゾートはディスティネーション化しやすい形態ですが、ゲストハウスもやり方次第では可能ではないかと思っています。ビジネスホテルや、シティホテルには無理ですが。

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