ゲストハウスをつくる

東京でゲストハウスを開業するために、ブチ破らなければならない7枚の壁

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Photo by neekoh.fi
長野県でゲストハウス開業予定だった物件がダメになったので、気持ちを切り替え現在は東京でも物件を探していますが、開始2週間で早くも白旗フレフレ気味です。

元々長野の物件は廃業した宿泊施設をお借りして開業する予定だったので、面倒な旅館業法のことはあまり勉強していませんでした。

しかし東京で物件を探すとなると、そう易々と旅館物件が出てくる訳ではないので、代わりに普通の一軒家や1棟ビルを探すことになりますが、そうなると越えなければならない壁がいろいろ出てきます。

備忘録的にも何が大変だったか以下7点まとめてみましたが、これを読めば東京でゲストハウス用の物件を探すの嫌になります。

またこれから頑張って物件を探す人は、注意するべきポイントとして頭の中に入れてもらえれば本望です。

1、100平米未満の一軒家がない

まずゲストハウス用の物件を探すとなると、100平米未満の物件を探すことからスタートします。100平米以上の物件となると面倒な用途変更が必要だからです。詳細はこちらに書きました。
用途変更って?なぜゲストハウス用の物件は、100平米未満がよいのか?

もちろんマンションの1室という訳にはいかないので、一軒家か1棟ビルを探すことになりますが、

これが意外とない・・

僕はどうやって探したかというと、賃貸物件情報サイトであるLR賃貸at homeで、検索条件を「100平米未満の一軒家もしくは一棟ビル」にして検索しています。

2、間取りがゲストハウスに適していない

仮に80平米とか90平米の一軒家を見つけたとしても、間取りが全然ダメな場合が多いです。

ゲストハウス用の間取りとなると、おそらく一階が共有スペース、二階がお部屋が理想的かと思います。二階には男子用のドミが1部屋、女子用のドミが1部屋、個室1部屋とかですね。

しかし、ほとんどの1軒家って3LDKとか3DKなんです。少なくても4DKとか4LDKは欲しいのに、あと1部屋が足りない・・ってことはしょっちゅうあります。

また運良く4LDKの物件を見つけたとしても一階が3部屋あって、2階にリビングがあるとか。もう泣きたくなります。

ちなみに最近見つけたベスト間取りはコチラ。でも一階にトイレがないんですよね・・

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3、リノベーションできない

壁の次は壁です。

仮に90平米で間取りが最高の物件を見つけても喜んではいけません。

その物件がリノベーション可能か確認しましょう。普通の民家をゲストハウスとして使用する場合、トイレや洗面所の数を増やしたり、入り口にレセプションを設ける必要があるため、ある程度の改修が必至となります。

そして多くの物件のオーナーは改修を嫌います。一時的にその物件を離れているだけでまた何年後かに帰ってくるとか、リノベーションしてしまうことでその後の入居者が決まらない可能性とか、色々考えるそうです。

4、物件のオーナーの承諾が得られない

壁が実は扉だとしても、開けてみたらまた壁です。

仮に90平米で間取りが最高で改修もOKの物件が出てきても、全然喜んではいけません。

ここが一番高い障壁かもしれませんが、ほとんどの物件のオーナー様は自身の物件がゲストハウスとしての用途で使用されることをよしとしません。

不特定多数が出入りすることがダメなのか、外国人がダメなのか、犯罪の温床にでもなると思っているのか、理由はそれぞれでしょうか、とにかくゲストハウスとして使いたいとお願いすると変な顔になります。

ちなみに物件の仲介をしている不動産会社の担当者も変な顔になりますね・・よっぽど成約率が低いっていうのを分かっているのでしょう。

5、用途変更できない

これは別パターンですが、仮に100平米以上の物件で最適な物件が出てきたとしても用途変更できない可能性があります。

なぜなら用途変更には「検査済証」なるものが必要だからです。検査済証とは建築物が建築基準に適合していることを証する文書で、通常建物を建てた4日後までに所定期間に申請する必要があります。

しかし古い建物はこの検査済証を持っていない場合が多いそうです。東京都で一番ゲストハウスが多い地域は台東区ですが、先日台東区にある不動産屋さんにこの検査済証のことについて聞いてみたら、古い建物の90%は検査済証なんてないよーとのことでした。

理由は建物を作った当初は用途変更など頭になく、面倒なので申請しなかった人がほとんどだとか・・

ちなみに検査済証を発行されているけど紛失してしまった場合は、役所に発行記録が残っている場合が多く、それを代用として用途変更が可能なようです。

詳細を知りたい方は以下のリンクが詳しいです。
違法建築と既存不適格 検査済証が無いと増築や用途変更はできないか?

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Photo by Eneas

6、家賃が高い

当然ですが、東京の場合は家賃が高いです。

仮に個人で運営できそうな100平米未満の間取りの物件を見つけたとしても、利益を出すほどのビジネスには到底ならないでしょう。ドミ2部屋と個室1部屋では売上の天井が知れています。

またこの家賃が高いことが、開業するまでの期間(リノベーション、許認可など)のお財布を激しく痛めつけます。オーナー様が理解があり、開業と同時に家賃が発生なんて都合の良い話はないでしょうから。

7、ライバルが多い

これまた当然ですが、同じようにゲストハウス開業を考えている人が東京には多いです。

東京は広いといえども、空港からのアクセスや観光地のロケーション、物件の家賃などを考えるとどうしても東東京に限られます。つまり台東区や墨田区周辺です。

その限られた土地で、おそらく同時進行で何十人(何百人かな?)もの人がゲストハウス用の物件を探しているとなると、新しい物件が出てきたとしても他の人に取られてしまう可能性も高いです。

実際、いい物件を発見し早速不動産屋に電話した所、すでに3名のゲストハウス開業希望者が内覧したとかザラにあります。。

終わりに

東京で物件探しをしてみて、初めてその大変さに気づきました。

道理で東京にはゲストハウス少ないはずです。
これではなかなか良い物件には出会えないですよ・・

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