今後ますますゲストハウスの数が増えていく中で、ゲストハウス間の競争は激しくなると思われます。
ゲストハウスを利用するような旅行者の需要に対して、ゲストハウスが提供するベッドの数が上手回るようになれば、当然といえば当然です。
ゲストハウス同士間の値下げ合戦による旅行者の奪い合いなどが起こるのは目に見えている中で、どうしたらそれぞれのゲストハウスが十分な旅行者を獲得し、持続可能なビジネスになるのか考えています。
credit: martinak15 via FindCC
1、まず全体のパイを増やすこと
まずはじめにやらなければならないこと。それは、ゲストハウスのターゲットとなるような属性の旅行者を増やすことです。
ゲストハウスのターゲットとなる市場は大まかに2つに分類されて、1つは訪日外国人、もう1つは日本人です。
訪日外国人
ゲストハウスという事業それ自体が、訪日外国人市場に直接的に影響力を持つことは非常に難しいです。
宿泊事業者がどれだけ頑張ってマーケティングしてプロモーションを行ったとしても、国自体に魅力を感じてもらわなければ、日本にすら来てもらえないわけですから。
できることは、宿泊した外国人に「日本ていいところだな、また来たいな」と感じてもらうこと。それに尽きるのではないでしょうか。
欧米圏はともかく、近年は台湾をはじめとするアジア圏からのリピーターが急増しています。リピーターを増やす努力を続けることです。
日本人
一方で日本人に対しては、するべきことがまだまだ多い気がします。
そもそも、ゲストハウスという宿泊施設の認知はホテルや旅館と比較して断然低く、その存在すらも知らない人が圧倒的に多いです。
まず認知をあげること。
日本にもゲストハウスという宿泊施設が存在し、それはどんな宿で、どんな旅行者が泊まると面白いと感じるか、をより多くの人に知ってもらうこと。
ゲストハウスはある種変わった宿泊施設なので、広大な市場はありません。なので、もの凄く多くの人がゲストハウスの存在を知ったからといって、もの凄く宿泊客が増えることは考えられません。
それでもより多くの人に知ってもらうことで、ゲストハウスに泊まってみたいというパイを広げることは可能です。
2、それぞれのゲストハウスが個性を発揮して、それぞれのゲストハウスにお客がつく
ある種変わった宿泊施設であるゲストハウスですが、そのゲストハウスの中にもそれぞれ個性があります。
スタッフがフレンドリーな宿、少しクールな宿。旅行者同士の距離が近い宿、程よい距離感がある宿。古民家で作られた温かみのある宿、鉄筋で作られたモダンな宿などなど。
あるいは、ゲストハウスの立地も個性なのかもしれません。駅に近い宿や離れた宿。超ど田舎にある宿や都会のど真ん中にある宿などなど。
そんな個性がより顕著に表現されているのが、ビジネスホテルなどにはない、ゲストハウスの面白いところだと思っています。
何かの本で読んで「なるほど」と思ったのですが、個性とはすなわち「差」であって、自分が他者と異なる「差」を意識し、より明確にすること。これが個性を伸ばす手助けになるそうです。
ゲストハウスに泊まる旅行者のなかでも、様々なバックグランドや趣味嗜好があり、一概にゲストハウスはこうあるべきだというものは存在しません。
別に人気のゲストハウスを真似する必要はありません。それぞれのゲストハウスがみずからの個性を発揮して、その個性に魅力を感じた旅行者が、それぞれのゲストハウスのお客になればいいと思っています。
というか、競争過多時代に行き述べる術は、他者の真似をせず独自の進化を遂げるしかないと、かのダーウィンも申しております。
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