ゲストハウスをつくる

誰が為にゲストハウスは存在する

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先日東京桧原村のゲストハウス「へんぼり堂」を運営する鈴木健太郎さんのFacebookに面白い意見が書いてありました。

共感する部分があったので、今回はそれをとりあげてみようと思います。ゲストハウスの「あるべき姿論」、もしくは本来はこっちに行った方が経営的に楽になるんじゃないのかなという考えです。

まずは鈴木さんのFacebookからの引用です。

ぼくはベーシックインカムには反対で、なんでかっていうと、生活保護の結果を見ればお金だけ与えられても幸せにならないのは結構明らかなきがしていて、それよりも「衣食住+医療・教育+つながり・役割」が与えられている方が幸せになると思うし、仕組みによってはベーシックインカムよりも生活保護よりもコストは低く出来ると思ってるから。

社会主義とか共産主義っぽいんだけど、そういう仕組みを資本主義経済(自由競争)に片足突っ込んだ状態で作れたらな-と思ってて、ファーストステップとして、へんぼり堂みたいなモデルを作ってみてるんだけど、地域おこし協力隊ってその中間何じゃないかとふと思った。地域おこしっていうアプローチじゃなくて、セーフティネットとしてのアプローチとしてはおもしろい気がする。ふむふむ。

あんまりこういうことFacebookでは書かない(っていうかどこでも書かない)んだけど、たまには違うことしてみようと思って書いてみた。

補足
地域おこし協力隊を批判してるわけじゃないですよ。地域おこし協力隊の仕組みは別の形で利用できたら面白いのではないかって話です。地域おこし協力隊の人めっちゃいるから念のため。

地域おこしではなく、セーフティーネットとしてのゲストハウス

この鈴木さんがつくった「へんぼり堂」については、このブログでも以前取り上げました。
秀逸すぎる!「東京へんぼり堂」から学ぶ、新しいゲストハウスのつくりかた

彼のアイデアの背景には、このような仕組みを、みずから作ってみようという思いがあったんですね。

ベーシックインカムのひとつの代替案としてゲストハウスおよびそのコミュニティがどう機能するかって話をしてしまうと、話が大きくなりすぎてしまうのですが、

ゲストハウスの役割って地域を盛り上げることよりも、セーフティーネットとして、誰かの支えになる方が需要もあるし、ゲストハウスの経営的にも楽なんじゃないかなと思ってます。

ターゲットは社会的な支えが必要な人たち

つまり、一般的にはゲストハウスのターゲットって訪日外国人や旅好きな日本人です。

外国人が多い地域で経営するのであればそれで全く問題ないのだけれど、それ以外の地域であれば旅好きの日本人だけでは、ターゲット設定が間違っていると思っていて。

旅好きで積極的にコミュニケーションを取りにいくような人たちをターゲットとして考えるよりは、例えばちょっと鬱っぽい人とか、周りに家族がいない高齢者とか、いわゆる社会的な支えが必要な人たちの方がニーズが高いのではないでしょうか?

「リバ邸」のゲストハウス版みたいな感じで

例えば、起業家の家入さんがやっている「リバ邸」のゲストハウス版みたいな感じです。リバ邸のことを知らない人も多いかもしれませんが、「現代の駆け込み寺」をコンセプトとして生まれたシェアハウスです。

僕らLivertyは、社会実験や個を切り売りしながら生きて行くための本拠地として六本木に「Liver邸」を構えます。前にも後ろにも進めなくなってしまうくらいなら、片道切符だけもってくればいいんじゃないかな。雨風しのげて眠れます。シャワーもあります。仲間もいます。本気でどうにかしたいという思いがある子は来れば良いと思います。

以下のページを見れば、詳細が書いてあります。
Livertyの新実験。僕らのコミュニティスペース&駆け込み寺「Liver邸」

日本全国に旅館や民宿はありますが、1人でふらっと滞在できる宿泊施設はまだまだ少ないです。仮にできたとしても、金銭的に厳しかったり、そもそも1人旅の人がメインターゲットじゃないので、居辛さを感じてしまう場合もあると思います。

そんな時に、仕事で悩みを抱えているサラリーマンが週末に一人で気軽に行けたり、今日はちょっと誰かと話したいなと思った老人が泊まらなくても、数時間だけ滞在できる場としてのゲストハウスってアリだと思う。(ちょっとリバ邸までやると重いかもしれないので、もう少しマイルドな表現で)

マーケットの大きさで考えると、

ゲストハウスって趣味の延長や、新しく自由な働き方として注目されているけれど、それでも結局はビジネスなので魚がいる漁場で釣りをした方が絶対良いに決まっています。

そういう意味では、ゲストハウスに泊まるような日本人の旅好きよりも、社会的な支えが必要な人たちの方が多いのではないでしょうか?!

まとめ

いろいろなモデルのゲストハウスがあってしかるべきだし、他と差別化を図る為に、あえてターゲットを旅人にしないっていう選択肢も面白いと思います。

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