日曜日だし、たまには自分のことを書いてみる。
ゲストハウスで独立しようと思った経緯から物件探しまで。
駆け足で振り返ると。
ぼくは今30歳前半。元バックパッカーで20代前半に、計3年間50カ国を旅したことがある。帰国してからは宝石輸入会社、ハイヤー会社、そして旅館運営会社と3社を渡り歩いた。
突然ひらめいた、インバウンドの可能性
ハイヤー会社に入る前(確か27歳のころ)に、ちょっとインドネシアのバリ島に住んでいたことがあって、ある天気の良い日ビーチで寝そべりながらココナッツジュースを飲んでいる時に、突然これからはインバウンドの時代だと悟った。啓示ってやつか?
当時はインバウンドっていう言葉も知らなかったし、そんな市場があるかどうかも分からなかった。とにかくこれからは日本に来る外国人に関するビジネスが自分のライフワークだと思った。それでココナッツジュース飲んでる場合じゃないと思い、急いで日本に帰国した。
帰国してからは、訪日外国人をターゲットにしたハイヤー会社で海外営業や外国人のアテンドを担当。インバウンド観光について理解を深めるとともに、英語も一生懸命勉強し、なんとかビジネスレベルの英語は話せるようになった。
さらに違った観光関連の会社でも働いてみたいと思い、旅館運営会社に転職した。配属は海外戦略事業部で、訪日外国人を自社が運営するホテル・旅館に集客する仕事。主に、香港・シンガポール・欧米の英語圏が担当だった。海外の旅行博に出展したり、海外エージェントへの営業、WEBマーケティングなど、インバウンド観光の営業・マーケティングに関する業務を一通りやった。
ここでしばらく働く予定だったが、あるコトがきっかけで人生が変わってしまった。
2020年にオリンピックがやってくるから、このタイミングで独立だ
2013年の9月東京オリンピック開催が決定した。
これはインバウンド業界には超ビッグニュースだ。世界から日本という国に注目が集まる、またとない機会だ。当然日本政府も観光業界に投資し、ハードからソフトまで整備されるだろう。もちろん競争も厳しくなるだろうが、チャンスも増える。
このニュースを聞き、バリ島で決めた自分の進路が間違っていなかったんだと驚喜した。そしてこの成長市場のインバウンド業界で、会社という組織に属しながら恩恵を受けるのではなく、自らの足で立ち躍動したいと強く思った。
ちくしょう、独立だ。
ゲストハウスの物件探し
独立を決意した際、すでに何をやるかは決めていた。
ゲストハウス
理由としては、元バックパッカーで海外のゲストハウスを200軒以上泊まったことがあり、ゲストハウスとは何ぞやみたいなことを知っていたし、当時働いていた会社が旅館運営会社だったから、宿泊事業の仕組みやマーケティングなど一通りのことは理解していたからだ。また宿泊事業が抱えている諸問題を解決できたらいいなと感じていた。
それからは月に1〜2回、1泊2日もしくは2泊3日で箱根、金沢、高山などを旅行した。ターゲットは当然訪日外国人なので、外国人が最低でも3万人泊以上している街が希望だった。データを集め、未来を予想し、あるべきゲストハウス像をイメージし戦略を練った。
多くの人と同じように物件探しは難航を極め、なかなか決まらない日が続き途方に暮れていたが、ある街に温泉旅館が売りに出ている情報をゲットした。長野県にあるその温泉旅館は、寂れた温泉街にあり日本人の知名度はあまり高くない場所だった。空き家も目立ち、街に活気が全然ない。
一方で、訪日外国人向けには絶大のキラーコンテンツがあった。
Snow Monkey
日本人で知らない人も多いけれど、長野県の北部に「地獄谷野猿公苑」という場所があり、ここに冬行くと温泉に浸かった野生の猿を見ることができる。写真を見ると、「あーこれか」と気づくかもしれないが、この猿が実は外国人には大人気。
なぜそんなに好きなのか詳細は省くが、外国人の友人とスノーモンキーを見に行った際、吹きすさぶ吹雪の中、1時間半もアメージング、インクレディブルと連呼しながら写真を取り続けてたほどだ。
で、その温泉旅館は古い旅館で創業90年とか。今は女将さんが一人で運営しているが、跡継ぎもいないので手放そうと考えていたようだ。ゲストハウスの物件を探している方はご存知かもしれないが、開業への近道は旅館物件を見つけることだ。詳細はこちらに書いた。
用途変更って?なぜゲストハウス用の物件は、100平米未満がよいのか?
この物件に出会ったのが2014年の1月の終わり。それから何度もこの旅館に通い、女将さんと折衝を繰り返し、ついに条件面で合意したのが3月末。4月末に会社を退職し(すでに2月の時点でこの物件でイケルと思い、退職届出しちゃった)、そして今年の9月にはオープンする予定だった。
が、、、
やっぱりやめた。詳細は以下に書いた。
古い建物は要注意!建築士に物件調査を依頼して分かった驚愕の事実
これが6月の中旬。半年近くかけて契約前まで行ったのに諦めねばならなくなり、正直焦った。またイチから物件探しをやるとなると相当気合いを入れねば心が折れてしまう。
どうしよう。
昔、長野県のペンションで働いてたわ
そんなとき、ふとひらめいた。
俺、大学時代に4年間も長野のペンションで働いてたわ
いわゆる居候ってやつ。冬の間だけペンションで無給で寝泊まりさせてもらい、朝と夜は食事の準備や掃除をやる変わりに昼間はスキー場でボード三昧。当時はほんとにボードに夢中だった。
で、実はそこのオーナーは何年か前に体調を崩してしまい現在は営業をしていない。
このペンションはスキー場近くにあるので、冬場はスキー客を相手にビジネスができるし、夏場は庭(すごい広い)が緑でいっぱいになる。Snow Monkeyも割と近くにあるし、周りは里山が残り、日本の原風景を体験できる場所。
今は冬になると長野県にスキーをしにオーストラリア人が大挙している。また香港人やシンガポール人がレンタカーで日本を旅行する時代だ。少し辺鄙な場所にゲストハウスがあっても、コンセプト次第で外国人を集客できると思った。
早速オーナーに連絡したところ、快くやっていいよと言われた。(←いまここ)これから条件など相談しながら、進めていく予定だ。早ければ2014年秋までにはオープンしたいと思っている。
また進捗あればブログに書きます。
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