9h (ナインアワーズ)というカプセルホテルをご存知ですか?
9h (ナインアワーズ)
9hは2009年京都の四条河原町にオープンし、従来のカプセルホテルとは一線を画した近未来的なデザインで話題のカプセルホテルです。
その9hが今度はなんと成田国際空港第2駐車場ビル地下1階に、2号店を出店します。カプセルユニット129室(男性71室、女性58室)でシャワー16室(男性7室、女性9室)を完備していて、宿泊は3,900円からだそうです。
本日はこのホテル業界の異端児をちょっと紹介したいと思います。
9h(ナインアワーズ)は、どんな宿泊施設?
株式会社キュービック代表の油井啓祐氏が、99年に父親が営んでいたカプセルホテルを引き継いだのが始まり。その後2005年からデザイン会社Design Studio Sと4年の歳月をかけてこのカプセルホテルを作ったそうです。
9h(ナインアワーズ)のコンセプトは
9hは「ビジネスなどのアクティブシーンでの滞在に特化した都市型の宿泊施設」です。
コンセプトは、ずばり
1時間のシャワー + 7時間の睡眠 + 1時間の身じたく = 9h
宿泊の機能を「眠る」と「シャワー」だけにフォーカスし先鋭化しました。スリーピングポッドというFRP製の9hオリジナルのユニットで眠り、ユニット以外の場所はすべて他の宿泊客と共有するパブリックスペースです。ユニットは光で入眠し覚醒する「寝室環境システム」を採用しており、睡眠時間に合わせた良質の眠りを提供することを目的としています。
9h(ナインアワーズ)のカプセルユニット
寝るためのユニット(カプセル)はパブリックスペースをデザインする、コトブキシーティング株式会社にオリジナルで発注しているようです。
柔らかなフォルムのデザインは何か落ち着くし、中は結構広く感じるみたいです。ちなみにライトはLEDを使用していて、タイマーを設定しておくと朝自動でライトが点灯し、起こしてくれるそうです。
事例紹介:スリープカプセル
デザイナーとプロデューサーの思いとコンセプトが詰まった「スリーピング・ポッド」は、これまでコトブキが制作してきたカプセルベットとは、形状が全く異なり、曲面の連続でデザインされていました。
カプセルベットの様な大型のFRP製品は、今でも職人が一つ一つ手作業で作っていきます。いくつかのパーツに分けて製造したものを一つに組み合わせて完成品を作ります。それぞれのパーツを「如何に精度良く」作り、「きれいにジョイント」させるか?イメージしているカタチを現実のものとするために、多くのFRP製品の製造経験のある我々のノウハウと知恵を盛り込みながら、各パーツの製作図面を元に職人たちの技をプラスして、製作していきました。
9h(ナインアワーズ)の料金は?!
2010年までは通常料金4,900円だったようですが、現在は通常料金+時間料金で、最低1時間の利用で1,900円〜となっています。
また平日なら先着5名で1,800円の宿泊プランがあります。週末や繁忙時期は料金が上がるようですが、それでも一般的なホテルに宿泊するよりは全然お得です。
時期によってはゲストハウスよりも安いですね。
ホテル業界のアップルか!9hなら世界を狙える
「無駄なものを削ぎ落としたミニマリズム」と、「必要なものはとことんこだわる探究心」。9hのコンセプトやWEBサイトを見てて、どっかで見たことあるなと感じていたら、
「Apple」でした。
Appleの製品であるMacやiPhoneが成功したように、この9hも際立ったコンセプトを引っさげ、これから宿泊業界を変えていく可能性があるんじゃないでしょうか?
実際9hの京都店は結構海外のメディアから取り上げられていますし、代表の油井氏も海外展開を検討しているような発言をされています。
注目すべきはその収益性の高さ
そしてコンセプトの秀逸さもさることながら、注目すべきはその収益性の高さです。カプセルホテルって、1カプセル当たりの広さが通常のホテルの部屋の10分の1らしいです。
これはゲストハウスで使用されているドミトリーの部屋よりも、さらに効率的にベッドを配置してます。もちろん価格は安いですが、この「スペース効率が極端に高い宿泊形態」は世界でも類を見ないのではないでしょうか?
京都店の売上を計算してみると、、
ちなみに9h京都店はカプセル数が125あります。稼働率は調べてみても分からなかったので仮に7割として、一人当たりの宿泊料金を3,000円と仮定した場合、
125(カプセル数)x 0.7(稼働率)x 3,000(宿泊料金)x 30(日)= 7,875,000(円)
月の売上は驚愕の 約800万円!
まとめ
日本固有の宿泊事業として「旅館」があり、そのホスピタリティを差別化要因として、いくつかの旅館運営会社がこれから世界に打って出ようとしています。
が、個人的にはこのカプセルホテルの方が、デザインの独自性や収益性の高さから、遥かにポテンシャルがあると感じます。ぜひ9hには、早々に世界で勝負してもらいたいです。
また、このブログはゲストハウスについて書いているので、ゲストハウス視点で、このカプセルホテルのビジネスモデルを見てみると
ゲストハウスが持つ共用部分の魅力 + カプセルホテルが持つ収益性の高さ
を合わせれば、面白くかつ競争力のある宿泊形態を作れるのではないでしょうか?
【無料メルマガ】読まないと損するホテル経営の裏側 ↓