ゲストハウスをつくる

ゲストハウス事業が、他業種と比較して相対的に競争力のある事業だと考える4つの理由

ゲストハウス事業は、他業種と比較して相対的に競争力のある事業だと考える4つの理由外国人をターゲットにした簡易宿泊所であるゲストハウスやホステルを、今後開業したいと考えている人は多いと思います。

そういう僕も2年前からゲストハウスの開業に向けて奔走し、ようやくというか、やっと目処がついたところです。

人それぞれ開業したいと考える理由は異なるかもしれませんが、僕はゲストハウスという事業が今の時代と非常に合っていて、短中期(3〜7年)では他業種と比較して相対的に競争力のある事業だと思っています。

個人的には、以下に紹介する4つの理由からゲストハウス事業は、とても強いと考えています。

もちろん開業に至るプロセスがあまりにも大変で、もし誰かからゲストハウスをやりたいんですと聞かれたら、あまりオススメしません、と答えますが。なので、開業が実現することを前提で、ゲストハウス事業は競争力が強いと書いています。

credit: Defence Images via FindCC

1、旅をしたいという欲求は決して消えない

アフリカの大地で人類が誕生して以来、人は旅をしてきました。ゲルマン人は大移動をし、江戸時代には「お蔭参り」がブームになり、そして今この時も世界中のいたるところでバックパッカーは旅しています。

時代が変わるにつれて旅のスタイルは変わります。しかし旅をするという行為それ自体はなくなりません。きっと我々のDNAに深く刻まれているのでしょうか。

今後テクノロジーが飛躍的に進化して、たとえばメガネをかけるだけで、世界中の世界遺産がとてもリアルに体験できるプロダクトが開発されたとしても、僕は到底「旅する人」がなくなるとは思えません。

そんな絶対なくならないであろう「旅人」をターゲットとするゲストハウスは、とても強いのです。

2、時代の追い風を受けている

2020年に東京オリンピックが開催されます。

この世界的なイベントを 5年後に控え、今後「日本」という商品は、外国人にどんどん認知されていくでしょう。日本食や自然、文化などクオリティの高い日本のコンテンツは、世界の他の国と比較しても引けを取らないどころか、非常に競争力の高いものです。

これらがきちんと認知され、関心を引くことに成功すれば、間違いなく日本を訪れる外国人の数は急増するはずです。

ちなみに世界一の観光大国であるフランスに訪れる外国人の数は年間8,000万人です。昨年度、日本を訪れた外国人が約1,300万人なので、まだまだノビシロはあるのです。

一応日本政府は2020年までに2,000万人の外国人を誘致しようと目標を立てていますが、金融緩和による金あまりやアジアの中間層の増加などの世界情勢に加え、ビザの緩和や撤廃(特に中国)などが政策面の動きが伴ってくると、2,000万人という数字は達成可能どころか、大きく上回ってくる可能性が高いのではないかと思っています。

そんな成長産業の一端にいるゲストハウスは、とても強いのです。

3、アマゾンやGoogleに淘汰されない

GoogleやAmazonなどの巨大企業が、収益性の高いビジネスを展開し、様々な業種を飲み込んでいます。昨今は書店やスーパーがどんどん潰れています。

しかし宿泊業であるゲストハウスは、旅人が存在し同時に建物があってこそ成り立つ商売です。

「旅」という行為がリアルな行為であり、また実際の建物がないと旅人は寝ることすらできないという事実がある以上、そこにインターネットが介在する隙間はありません。

この時代にAmazonやGoogleの脅威にさらされないビジネスというのは、とても強いのです。

4、モノではなく体験

人が豊かになる過程で、豊かになった直後のアクションは、「モノ」を買い所有することです。貧しかった状態から抜け出した象徴として、目に見える成功物を得ることは理にかなっているといえます。

一方で、豊かな状態をキープし十分過ぎるほどの「モノ」を所有した後のアクションは、心に充足感を与える「体験」を得ることです。「モノ」では埋めることのできない心の隙間を、体を動かしみずからの感覚で「体験」することは現代の日本人が一番求めていることではないでしょうか。

日本は十分に豊かになりました。
ゆとり世代は消費意欲がないと批判されることもありますが、あれは意欲の矛先が「モノ」から「体験」へ変わっただけなんだと思います。

というわけで、旅をしゲストハウスに宿泊し、他の旅行者とコミュニケーションを取るという「体験」の場を提供しているゲストハウスは、とても強いのです。

終わりに

なんども書きますが、ぼくはゲストハウスという事業を美化しているわけでも、興味がある人を煽っているわけでもありません。みずからの人生を賭けるには、あまりにもリスクの高い投資だとも思っています。

それでも、ぼくがやろうと考えるに至った思考の一端を、少し書いてみました。

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